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映画『クソ野郎と美しき世界』の雑感

 非常に感想が言いにくい作品でした。万人受けするようなものではないから人には勧めづらいし、響く人には響くだろうなという感じで。でもその響く人というのがSMAPファンとも限らなくて。

 何かの閉塞感に苛まれている人にはお勧めだと思います。

 

 単純に映画の話をしようと思います。でもやっぱりSMAPの話になるかもしれません。ネタバレはします。

 

この物語はそれぞれ何かの愛を抱えた人たちがそれを失い再確認し、新しく出会う話です。

 

エピソード1 ピアニストを撃つな!

 このエピソードがよくわからなくて、稲垣吾郎稲垣吾郎らしく撮りたかったのか?私は正直面白くなかった。コメディとしても中途半端な気がして。話の筋は単純で、それまで色んな女を渡り歩いてきた男が自分の好みではない女性に、また女の方も同じように劇的に恋に落ちる話。

 ただまあ、その劇的に恋に落ちる男女の部分は割とどうでもよくて、エピソード1の最後のあと大門はどうして止めなかったのか。何故最後まで続けるように指示したのかが分からなくてもやもやする。女を愛しているので身を引くのは分かるけど。既に間違いに気づいてるのに続けるのが分からん。ドMか、愛している女への贖罪か、それとも自分を愛してると言った男をもっと縛るためなのか。そこら辺が気になる。

エピソード2 慎吾ちゃんと歌食いの話

 香取慎吾の話。エピソード1,3はともに本人役ではないけど、香取慎吾だけ、香取慎吾役をやっていた。そして一番SMAPを想起させるエピソードだった。

  歌えなかったのか歌わなかったのか分からないが、劇中の彼は歌を歌っていなかった。その後少女の姿をしている歌食いによって歌を奪われた。歌えないものを奪われたところで何も変わりはしないのに、彼は少女のあれを食べるのを逡巡するほどに歌うことに執着していた。

 途中「一人でですか?」と返すところがあり、とてもとても胸をうたれてしまった。だって彼は前は6人、5人で歌っていたから。短いエピソードであり、香取慎吾しか出ていないのにどうしたって彼のやっていたアイドルグループを想像させる作りになっている。どうしたって心が揺さぶられる。

 私は未だ納得していない。あの結末にはまるで納得していないし、なんなら強い恨みを抱いている。彼らではなくその後ろで動いていた者たちと、構造、面白がって彼らを棄損し続けたメディアや大衆に対して強い恨みを抱いている。だけど、同時に彼らのことを思うとどうしようもなく苦しく悲しく、切ない。

 そんなどうしようもないことをまた思い返してしまった。

エピソード3 光へ、航る

 草彅剛がかっこよくて死ぬ。

エピソード4 新しい詩

  三つのエピソードのオチ的な部分をまとめた総括的なエピソード。ここであれが繋がってたんだ!みたいな驚きとともに、新しい詩とかいう素晴らしい歌が披露される。みんな買え。新しい詩の為に劇場に足を運んでもいいくらいこれがいい。というかこの歌を聞くのは劇場がいい。一応Amazon musicで買ったけども、やっぱ劇場の映像と音響じゃないとあのゾクゾクする感じは得られないので劇場に足をお運び下さい。もう最終日(4/19までです)ですけど。

 とにかくあの歌が最高にいいので、ぜひ劇場でご堪能ください。

構造的な話

 三つのエピソード+まとめ的なエピソードという構造。

 三つの内エピソード1とエピソード3は繋がっているのにエピソード2だけ繋がっていない。なんだかエピソード2だけ浮いているような内容だ。

 エピソード1、エピソード3はともに人への愛の話であるのに対して、エピソード2は歌への愛が表現されている。エピソード4の「新しい詩」とエンディングの「地球最後の日」でもその表現の役割の差は顕著である。これはどういった意図でやられているのか気になるところだ。

 

以上、初見感想でした!

パンフレットやオフィシャルブックは後でみますよー!

 

クソ野郎と美しき世界 THE BASTARD AND THE BEAUTIFUL WORLD -Original Soundtrack-

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  • アーティスト: クソ野郎★ALL STARS
  • 出版社/メーカー: WM Japan
  • 発売日: 2018/04/06
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